パールグラスのコケを食べるシルバーフライングフォックス

シルバーフライングフォックス

学名
Crossocheilus reticulatus (Fowler, 1934)
他の販売名
大きさ目安
8~12cm
価格目安
400~700円
飼育難易度

簡単

混泳
同種・近縁魚等に攻撃的
繁殖難易度
簡単
水温目安
22~29℃(普通の熱帯魚)
適応水質
弱酸性中性弱アルカリ
良好良好良好
群れやすさ
条件があえば群れる。

幼少期は群れる傾向があるが、成長に伴いその性質は弱くなる。

分布
タイ、ラオス、カンボジア、ベトナムあたり (Chao Phraya,Mekong River水系)

※上記はGoogleMap上での代表地域を示したものです。厳密な生息範囲ではありませんので、参考情報までに。

目次

主な特徴

シルバーフライングフォックス

「シルバーフライングフォックス」は、綺麗な銀色の体色に尾筒に黒いスポットが入るタイ周辺のコイ科です。

アクアリウムでは、エビ・オトシン・プレコ類が食べない「黒ひげゴケ」を食べる貴重な存在であり、また糸状ゴケである「アオミドロ」にも効果てきめんなことから、水槽内のコケ取りとして多く販売されています。

最もメジャーなコケ取りとては「サイアミーズフライングフォックス」がありますが、それと同属(Crossocheilus)の魚であり、こちらの方がコケをよく食べると評価されやすいため、体感2020年頃からかなり人気となり販売量が増えました。

本来10cmを超える中型の魚ではありますが、コイ科によくある広い空間がないと成長が阻害される性質があり、例えば60cm水槽だと10cmいかない程度です。よって30~60cmほどの小型水槽にも導入されることも少なくありません。

YOUTUBEシェア

YOUTUBEにアップロードされている動画のうち、種類が分かりやすいものを紹介します。

※当サイトとは関係がない第三者によるものです。動画共有が許可されたものを紹介しておりますが、権利者からの要望には真摯に対応させていただきます。

コケ取り性能

茶ゴケ
C
糸状ゴケ,
アオミドロ
A
緑のスポット状コケ
E
黒ひげゴケ,
短い毛布状のコケ
B
藍藻,
シアノバクテリア
E

最もよく食べてくれるのが糸状タイプのコケ「アオミドロ」であり、アオミドロに困っているなら抜群に効果があります。

とはいえ最もシルバーフライングフォックスが重宝されるのは、他のコケ取りが全く食べない「黒ひげ状のコケ」「硬く短い毛布状のコケ」を食べることです。この点から水草水槽には高い需要があります。

またサイアミーズフライングフォックスと比べて、黒ひげ状のコケを食べる能力は高い傾向があり、特に成長成長スピードも早く食事量も多いことから、全体的なコケ取り性能は一回り上です。

なお大きくなってもコケを食べますが小回りが効かなくなり、小さな葉や流木の窪み等に生えるような食べにくい箇所のコケが苦手となってしまう傾向がありますね。

混泳・性格

最初は温和ですが、成長すると他魚を追い回す性質が出てくるため繊細な魚との混泳は避けましょう。

小さいうちは温和で同種間でも群れで泳ぐほど協調性のある魚ですが、5cmぐらいから自分の大きさより小さい魚を追い回す性質が少しずつ出てきてしまいます。

レッドファントムテトラを追い回すシルバーフライングフォックス
レッドファントムテトラを追い回してる様子

テトラ・コイ類・レインボーフィッシュなどは水槽への導入数が多く泳ぎも早いことから、追い回しが分散するため問題が無いことがほとんど。しかし水槽に数匹しかおらず泳ぎが下手な魚は要注意です。

例えば小型のアナバス・小型シクリッド等が集中して追い回されやすく、それによるストレスを強く受ける魚種であれば混泳は避けるべきでしょう。他にも泳ぎが下手でヒラヒラの尾びれを持つグッピーなども混泳に適していません。

特に同種・近縁種だとかなり激しい追い回しに発展しますが、逆にコリドラスやプレコ類など、浮遊して泳がないような魚には無関心です。

なお同属のサイアミーズフライングフォックスも同じ性質を持ちますが、あちらは結構大きくならないと他魚を追い回し始めないのに対し、こちらは5cmぐらいのそこそこのサイズから追い回し始めるので、比較するとこの点はデメリットになります。

エサ

エサは藻類の他、何でも食べます。

本種は幅広い種類のコケを食べるため、照明をしっかり付けて藻が生える環境であればエサは基本的に不要です。

また熱帯魚のエサも率先して食べに来るため、藻類がなくなった場合でも餓死の心配はまずありません。

飼育ポイント

飼育はとても容易で、特に注意することはありません。

強健といっていいほど丈夫な魚で、熱帯魚を飼育できる最低限の環境があればそれで良いです。

ただ驚いた時に猛ダッシュして水面から飛び出していく場合があるため、飛び出しには注意して下さい。特に身体に対して狭い水槽だと顕著です。
(つまり大きい水槽から小さい水槽へ出張させるとよく飛ぶのでフタ必須

繁殖

繁殖は報告されておらず、困難です。

飼育下で繁殖した例がなく、販売されているのは野外採取されたものです。養殖に関しても行われていませんので、かなり困難と思われます。

その他・補足情報

サイアミーズよりコケを食う

一般的にサイアミーズフライングフォックスよりコケ取り能力が高いとされますが、私が実際使ってみた感じも同じサイズのサイアミーズと比べて常にコケ取り仕事をしています。

特にサイアミーズの方は成長も遅く購入しても長らく力不足ということになりやすいのですが、コチラのほうがでかくなるスピードが早いのでその点もかなりいい感じだと思いました。よってダブル効果でコケ取りにはより高い効果を期待できるでしょう。

特にアオミドロは抜群に食うので個人的に最近はエビよりも重宝してるくらいです。エビは美味しいコケがなくなるとすぐ水草を食害してくるんですが、フライングフォックス系の魚は水草を食害しないのも良いですね。

サイアミーズよりかなり早い段階で他の魚を追う

サイアミーズフライングフォックスよりコケ取り能力を実感する本種ですが、困ったことにサイアミーズより他魚を追い回し始めるサイズがかなり早いという欠点があります。

大きくなったサイアミーズフライングフォックス
サイアミーズはそこそこ大きくなっても他魚に悪さしにくい

サイアミーズはかなりでかくならないと攻撃的にならないのに対し、こっちは先述した通り5cmぐらいのサイズから追い回し始めるので、小型水槽でも容易に到達してしまいます。よって追い回すことは前提で迎える必要があるワケです。

水草水槽メインで小型魚を多く泳がせる水槽であれば(攻撃が分散するので)全く問題ないんですが、小型シクリッドとかだとシルバーフライングフォックスに追われることで結構ストレスになってしまいます。

出張するシルバーフライングフォックス
出張してコケ掃除

個人的には基本60cm水草水槽とでかいシクリッド水槽で飼育していて、他の水槽でコケが目立ってた時だけ出張して使っていますが、1つの水槽しかない場合はサイアミーズフライングフォックスの方が混泳上は無難かとも思いますね。

とはいえサイアミーズは成長が遅くしばらくはコケ取りにやや非力。スグに対処して欲しい旨を伝えると数多く入れることを勧められたりするので、そういうことするのであればシルバー1匹で済ましたい気持ちが出てしまいます。

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