更新:
オトシンネグロ
気をつけたい
| 弱酸性 | 中性 | 弱アルカリ |
|---|---|---|
| 良好 | 良好 | ✕ |
※上記はGoogleMap上での代表地域を示したものです。厳密な生息範囲ではありませんので、参考情報までに。
主な特徴
「オトシンネグロ」は吸盤状の口を持ち、石や水草の葉に張り付いて藻類を食べる小型のナマズです。
「オトシンクルス（並オトシン）」と並んで小型水草水槽へのコケ取りとして人気ですが、飼育が難しい並オトシンと比べて丈夫で飼育しやすいのがオトシンネグロの魅力。人工飼料にも餌付きやすくコケを食べ尽くした後も考えると、こちらの方が世話の手間がかかりません。
名前からしてアマゾン水系のネグロ川かと誤認しやすいのですが実際にはパラグアイ原産で、名前の意味は黒い（ネグロ）オトシンが由縁かと思われます。
YOUTUBEシェア
YOUTUBEにアップロードされている動画のうち、種類が分かりやすいものを紹介します。
※当サイトとは関係がない第三者によるものです。動画共有が許可されたものを紹介しておりますが、権利者からの要望には真摯に対応させていただきます。
コケ取り性能
| 茶ゴケ |
A |
|---|---|
| 糸状ゴケ, アオミドロ |
E |
| 緑のスポット状コケ |
E |
| 黒ひげゴケ, 短い毛布状のコケ |
E |
| 藍藻, シアノバクテリア |
E |
オトシンネグロが食べるコケの種類は「茶ゴケ」です。それに対しては抜群に効果があり、導入数にもよりますが数日中に効果を実感できるでしょう。
反面それ以外のコケはほぼ食べませんので、コケ取りとして考えているのであれば自分の水槽に生えたコケを一度確認した上での購入がオススメです。
混泳・性格
温和で混泳向きの魚です
同種とも他の魚とも争うことは無いため、問題なく同居が可能です。
ただ大きな魚に飲み込まれた場合ピンと硬いヒレを張って口の中で抵抗するため、食べた魚の喉に刺さって両者とも死ぬ恐れがあります。
よってオトシンを食べそうな中型～大型魚との混泳は避けて下さい。
エサ
食べられる藻は限定的で、餓死の危険性があります。必要に応じてエサを与える必要があります。
オトシンネグロの食べるコケはほぼ「茶ゴケ」のみでありますため、水槽内に茶ゴケが無くなると餓死の危険性があります。
水槽内に茶ゴケがなくなった場合は「プレコ用フード」「一般的な熱帯魚のエサ」「茹でたほうれん草」を与えましょう。
オトシンクルスと比べて、一般的な熱帯魚用のエサも底に降りてきて結構食べ、長期飼育にも問題ないので、観察して沈下するエサを与えればOKです。
オトシンクルスと比べて人工飼料への食いつきが良いので、茹でたほうれん草じゃなくても比較的飼育しやすいのはメリットですね。
なお水槽内で湧く微生物や他魚の食べカスも食べるため、ソイルを使った水草水槽などではエサを与えなくても良い場合も多いです。ただし繁殖させる場合は何らかの人工飼料を与えた方が良いでしょう。
冷凍アカムシを与えると死ぬ
オトシンネグロは冷凍アカムシを与えると食べますが、継続的に与えると死にます。
混泳水槽ではオトシンネグロが食べる前に他の魚が冷凍アカムシを食べるかと思いますが、混泳魚によってはアカムシを沢山食べれて危険な場合がありますので覚えておいて下さい。
飼育ポイント
体力がないため導入や初期エサには注意が必要です。コケ取り後は餓死にも注意しましょう。
オトシンネグロは小型魚かつ売られているサイズもやや小さいため、あまり体力に余裕がありません。よって導入時は慎重にするのがポイントです。
水合わせは必ず行い、必要に応じて人工飼料やほうれん草などを食べさせて痩せないよう気をつけた方がベターです。ただコケ取りとして導入されるかと思いますので、茶ゴケが多くある環境であれば初期エサについてはケア不要です。
オトシンネグロは一度落ち着きさえすれば飼育は容易なので、気を払うのは導入初期だけですね。
茶ゴケ枯渇による餓死に注意
基本的にコケは「茶ゴケ」しか食べれません。茶ゴケが無くなるとその他のコケがわんさか生えてようが餓死の危険性が出てくるので注意が必要です。
繁殖
十分可能です。
ほとんど繁殖成功を聞かない「オトシンクルス」と比べ、オトシンネグロはよく繁殖例があがるほど繁殖は容易です。
ただ混泳水槽ではどうしても卵・稚魚が食べられやすいので、そういう意味では増やしにくいと言えます。
わざわざコケ取りの魚を増やすために専用水槽を作るのには抵抗があるかもしれませんが、水草の繁茂具合や混泳魚などの環境によっては、小さな稚魚が勝手に出てくる場合もありますので、そのような幸運に恵まれたら是非回収して育成してみると良いでしょう。
雌雄の違い
オスに対し、メスは一回り大きくお腹周りが膨れることが性差になります。
特に販売サイズだとスリムで小さいのは結構オスなので、購入時点でペアを抜くことは難しいことではありません。
産卵
成熟した雌雄がいて、良い飼育環境で飼育していると定期的に産卵が行われます。
水槽のガラス面やフィルターのパイプ、水草などかなり様々なところで産卵します。卵はポツポツと離れて産むため、中々見つかりにくいです。
なお卵は他魚に食べられますがガラス面によく産むことと、産卵後間もないとかなり柔らかいので取り出すのは結構困難です。よってしっかり繁殖に取り組む場合は混泳魚を選ぶか専用水槽が良いでしょう。
孵化と稚魚の育成
基本的には孵化を待って稚魚を取り出して育成します。孵化期間は2～3日が目安です。
稚魚はヨークサックがついていますが割と早めに無くなるので、孵化したてのブラインを冷凍してこれをエサとして用意しておきます。適宜冷凍したブラインを砕いて与えて下さい。
なお稚魚の育成水槽には稚魚が食べるコケを生やすため、照明を設置しておくのも忘れずに。
冷凍したブラインを与え続けるとどんどん大きくなり、そのうちコケの食い痕やコケ色のウンチが見つかるようになります。そうなれば冷凍したブラインから粒エサをすり潰したものに切り替えていきましょう。
その他・補足情報
オトシンクルスとは別属
通常の「オトシンクルス」いわゆる「並オトシン」はOtocinclus属でありますますが、オトシンネグロはOtothyropsis属で結構異なります。
並オトシンと比べて飼育や繁殖難易度はとても簡単になっていますが、分類上も属からして異なりますので、かなり別の魚と思った方が良いでしょう。
余談ですが「オトシン」と呼ばれる魚は並オトシン以外はほぼ別属なので、「プレコ」みたいに今はジャンル呼称になっていますね。
（Otocinclus属は他にゼブラオトシンがいるぐらい）
コケ取りなら並オトシンではなくオトシンネグロを飼育せよ
「オトシンクルス」いわゆる並オトシンと比べて値段が高いので敬遠されるところがありますが、コスパはこっちのほうが基本良いです。
並オトシンの方が安いのですが輸送ダメージでボロボロ死にますし、そもそも飼育自体も難しいからです。長期でコケ取りをなされることを考えるとオトシンネグロが好ましいでしょう。
また一般的にオトシンネグロの方がコケ取り能力が高いとされ、そもそも調子を崩しやすい並オトシンに対して、こちらは気力モリモリでコケを食べてくれます。
長期でコケ取りをしてもらう予定であればオトシンネグロをチョイスするのがオススメです。
ブログでのレビュー/批評も歓迎！
この記事へのコメント