
公開:
キングロイヤルペコルティア
気をつけたい
水質悪化にかなり弱い他魚から強いストレスを受けやすい
| 酸性 | 中性 | 弱アルカリ |
|---|---|---|
| ✕ | 良好 | 良好 |
※上記はGoogleMap上での代表地域を示したものです。厳密な生息範囲ではありませんので、参考情報までに。
主な特徴

「キングロイヤルペコルティア」および「キンペコ」は、ブラジルのシングー川に棲む黒と白~黄のネットワーク模様が美しい小型プレコです。
模様・体型に非常に多彩な変異を持つプレコであり、細身で細かなラインが複雑に入り組む個体もいれば、しっかりした体型で粗めの模様を持つ個体もいるなど、様々なタイプが存在します。こうした違いから「L-066」「L-333」など異なる名称で輸入されてきました。
現在では気に入った個体同士をかけ合わせて綺麗な柄を生み出すという活動が活発に行われており、ショップで販売されているキンペコは飼育下で増やされた個体が多くを占めます。
「キンペコ」は見て楽しむだけではなく繁殖の楽しみも兼ね備えた、プレコを代表する定番ジャンルの1つと言えるでしょう。



(リアルメガクラウン)

(ゴールデンキングロイヤル タイプ)
YOUTUBE参考動画
YOUTUBEにアップロードされている動画のうち、種類が分かりやすいものを紹介します。
※当サイトとは関係がない第三者によるものです。動画共有が許可されたものを紹介しておりますが、権利者からの要望には真摯に対応させていただきます。
混泳・性格
遊泳魚に対しては温和で混泳には向いた性格です。ただし産卵に適した場所があるとオス同士が争ってしまうのでこの点は注意します。
温和なプレコの仲間なので、泳いでいる魚にちょっかいを出すことはまずありません。どちらかというと臆病で、基本的に隠れています。
ただし中層を自由に泳ぐ魚と比べると餌取りが遅いので、餌が回るかどうか?は混泳する上で押さえるべきでしょう。
成熟したオス同士の同居に注意
同種同士の混泳も可能な魚ですが、繁殖に適した場所があると成熟したオス同士が陣取り争いを行うのでこの点は注意します。
特にプレコ用の隠れ家として片側が閉じた陶器製の筒が販売されていますが、これを成熟したオスが複数匹いる水槽に設置してしまうと、片方もしくは両方がボロボロになってしまうことがあります。
もし成熟したオス同士を同居させる場合は、両端が開いた「土管」などの隠れ家を採用しましょう。


エサ
沈下性の人工飼料を夜間に与えます。混泳魚がいる場合は全て食べられないように注意しましょう。

一部の飼育者には、プレコ=草食性のイメージがあるかもしれませんが、水槽内では一般的な熱帯魚のエサを食します。
具体的な製品名でいえば「グロウ B~D」、「デルフィスのデルフレッシュフードS~SM」などがエサとして適します。また本種がパッケージに採用された専用フード「ひかりクレストフリーク ペコルテ」もありますので、迷った方はそちらを選ぶと良いでしょう。
基本的には夜間にエサを与える
昼間は物陰に隠れがちなので、夜間(消灯後)にエサを与えます。
環境に慣れてくれば、日中でもエサの匂いで前に出てくるようになりますので、その場合は昼間のエサやりでも構いません。ただし大きな同居魚がいる場合は、ビビって前に出れないことが多いので、その点は注意して下さい。

飼育ポイント
丈夫な熱帯魚と比べるとやや難しいレベルです。水質適応範囲は広いのですが、濾過不足や水換え不足による低pHには弱いので、注意しましょう。
水質の注意点
アンモニア・亜硝酸にはめっぽう弱いので、しっかりろ過が安定している状態を準備することも重要なポイントになります。
pH自体はpH6.0~pH8.0と広い範囲で適応するので、日本の水道水であれば水質自体はあまり気にしなくてもOKです。ただし排泄物の総量に対する水換え頻度が足りない等により、pHが6.0~5.5を下回るのは避けて下さい。
水質変化や水温変化にも気を配りたいので、水槽サイズは45cm以上ある方が安定するでしょう。
混泳魚がいる場合はエサにありつけているか要観察
中層を自由に泳ぐ魚と同居すると、餌食いは遅く、そもそも昼間は暗いところに隠れたままなので、一般的な混泳水槽だと痩せやすい魚です。
物陰に隠れがちなシャイな性格のため、専用水槽でも無い限り餌食いの確認は難しいのですが、必ず定期的にお腹をチェックし「痩せてないか?」は確認するようにしましょう。
そういう背景から、専用水槽と混泳水槽では難易度が大きく異なってきます。

その他細かい飼育方法については、専用ページがありますので、以下をご参照ください。
繁殖
繁殖は容易なプレコで、産卵に適した場所があれば繁殖を狙うことができます。

成熟した雌雄を状態良く飼育していて、かつ産卵に適した場所があると定期的に産卵するタイプの熱帯魚です。
産卵場所としては、岩の隙間や流木のくぼみなどの奥がすぼまった場所に産卵を行いますが、プレコ専用の産卵シェルターが売られているので、それを用いると簡単でしょう。

オスが産卵シェルターを気に入ると、その場所に居着いてメスを待つようになります。
産卵から稚魚まで

メスが産卵を行った後、オスのみが産卵筒に留まり、卵および稚魚の保育を行います。
産卵から孵化までは4~5日ほどですが、孵化後10~14日ほどはヨークサックを付けた状態で、引き続きオスに守られます。この間ほぼヨークサックの栄養で育ちますので、餌は不要です。
何事もなければ産卵から3週間程度で巣から巣立っていきますので、回収して保育を開始しましょう。
稚魚の育成

稚魚用の育成容器としては、稚魚用の隔離ケースを用います。
初期餌としては一般的な熱帯魚と同じ、孵化させたブラインシュリンプです。
成長とともに砕いた人工飼料や刻んだ冷凍赤虫などを与えていくようにしましょう。人工飼料を難なく食べるようになれば稚魚としての保育は終了です。

その他詳しい繁殖方法・雌雄判別方法については、専用ページがありますので、以下をご参照ください。
その他・補足情報
コケは食べない
ブッシープレコやセルフィンプレコの印象から、プレコ=コケを食べる掃除屋というイメージが持たれることもありますが、本種は水槽内で生えるコケはほとんど食いません。

上の写真は先ほどの飼育例ですが、一般的なコケ取り生物が真っ先に食べる「茶ゴケ」がガラス面に多く繁茂しており、コケ取り能力が欠如していることが分かります。
2025年にやっと正式に種として記載されたプレコ
キングロイヤルペコルティアは、L-066, L-236, L-287, L-333, L-399, L-400、といった複数の未記載種および交雑種を示すグループ名称でしたが、2025年にそれらを含めて「Hypancistrus seideli」(セイデリ)という学名で記載されました。
非常に表現が多彩でありますが、同一種内の変異型であると結論付けられています。
ただ一部の熱狂的な愛好家は「L-333、L-399などとは明らかに違うから別種とすべき」といった主張も根強く、現にナマズ愛好家の大手サイトである「PlanetCatfish」も、「H. seideli」は「L-066」に対応させ、L-333などは未記載種とし「H. seideli」とは表記していません。(※2026/09時点)

スレンダーで模様が細かい

体高が高くガッシリ体型で模様が大柄
とはいえAdauto Lima Cardoso氏らによって、2016年に「L-066とL-333のミトコンドリアDNAを調べたけど、両者に種として分けるだけの遺伝的差異はなく、1種内の変異に収まるだろう」という論文も出ております。
当サイトでは、愛好家は専門家に基本従うべき(異論があるなら論文を出すべし)というスタンスで、L-333も含め「H. seideli」と表記致しました。
とはいえ表現は明確に異なりますので、趣味の分類としては引き続き「H. seideli(キンペコ)のL-066タイプ」「H. seideliのL-333タイプ」といった区分けは必要でしょう。

ブログでのレビュー/批評も歓迎!
参考文献
- 2025. Author: Leandro Melo de Sousa, Erilda Barbosa de Sousa, Renildo Ribeiro de Oliveira, Mark H. Sabaj, Jansen Zuanon and Lúcia Rapp Py-Daniel. "Two new species of Hypancistrus (Siluriformes: Loricariidae) from the rio Xingu, Amazon, Brazil".
- 2016. Author: Adauto Lima Cardoso 1, Hagi Lopescu Silva Carvalho 1, Thayse Cristine Melo Benathar 1, Suellen Maria Gales Serrão 2, Cleusa Yoshiko Nagamachi, Julio Cesar Pieczarka, Leandro Melo de Sousa, Jonathan Stuart Ready, Renata Coelho Rodrigues Noronha. "Integrated Cytogenetic and Mitochondrial DNA Analyses Indicate That Two Different Phenotypes of Hypancistrus (L066 and L333) Belong to the Same Species".













この記事へのコメント